青春の殺人者(1976)
実際にあった両親・尊属殺人が原作の映画化作品。斉木順(水谷豊)は親から与えられたスナックを幼馴染の常世田ケイ子(原田美枝子)と営んでいた。しかし、両親(内田良平・市原悦子)に交際を反対され、ふとした瞬間に父を殺し、次いで母親をも殺してしまう。どうしようもなくなり、順は自暴自棄になっていく。
前半の殺人シーンからは嫌悪感が差し迫ってくる。水谷豊が殺す時キレた眼は秀逸。原作の中上健次の小説にあるような近親者に対する複雑な感情を長谷川和彦がうまく映像化していると感じた。全体的に『俺たちに明日はない』のような逃げ場のなさがあるが、ゴダイゴのサントラには陰惨な雰囲気をかき消す爽快さがある。
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十九歳の地図・蛇淫 他―中上健次選集〈11〉 (小学館文庫)
- 作者: 中上健次
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