HANA-BI(1998)

久しぶりに観て新たな発見があったのでレビュー。

刑事の西(ビートたけし)の同僚・堀部(大杉漣)が張り込み中にヤクザに撃たれ下半身不随になる。続いて部下も亡くなり中で、西は辞職し銀行強盗。不治の病の妻(岸本加世子)と逃亡する。

子煩悩にもかかわらず不自由な体のため妻子に逃げられた結果絵を描くことで「生」を見出そう堀部と、死が迫る妻と「死」を見つめようとする西のコントラストが描かれる。

破滅へ向かう逃亡、堀部が描く花と動物が融合した奇妙な絵(実際はたけしが描いたらしい)がスライドショーのように流されることや海と空が映るラストシーンはゴダールの『気狂いピエロ』へのオマージュだろうか。

西のセリフが極端に少ないのも特徴的だ。喋り倒す漫才で人気を得たビートたけしが「言葉を信用していない」という理由でセリフの少ない主人公の映画を撮るのはなんとも皮肉なことだと感じた。

HANA-BI [DVD]

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